ムチムチの地(無知無知の知)

人生について一度立ち止まって、考えられる場所にしていきたい。

旅の記録 その5 青春18切符一人旅 (東北編)

ひさびさに旅の記録を綴ろうかと思います〜

9月の初めに行った東北旅行です。

青春18切符を3枚使って2泊3日の旅路。

 

旅の記録は基本、小説風で行こうかなー的な感じで考えてます〜!

 

よろしくおねがいします。

 

 

響いた声

 

夏も終わりか。そんな気分にさせられる。

「もう9月か。」

 口からこぼれたのは8月が終わった寂しさと、過去る年の早さに対する一種の反応だろう。意識したわけではないのに無意識に口が動いた。そんな感じである。

 

今年の8月は人生で最も充実していたかもしれない。

就職活動も終え、新しい自分に出会えたような気がする。

 

今までは口だけで何もしなかった。

「旅したい」という言葉は単なる音となり、どこに響くこともなく消えていく。

「どうせ無理だ」そんな言葉はいつまでたっても耳にこびりついて心の中までこだまする。

 

でも今年は違った。やりたいことに素直になってみたいと思えた。

響いた声は「行きたい」だけだった。

 

自由と好奇心に魅せられて

 

自分と向き合えたことや、人生を変える大きな出会いを与えてくれたのは、就職活動がきっかけかもしれない。

 

この夏に体験したのは、関西一人旅、無人島、ヒッチハイク。人生初だらけだ。

 

 今まで感じたことのない感情や刺激たち。

しばらくは整理できなかった。

 

そんな中で迎えた9月には、軽い虚無感が漂っていた。

でも希望のほうが大きかった。できることが増えて、また一つ身軽に、自由になれた感じがしたからだ。

 

 

残っていた青春18切符は3枚。

「行ったことのないところへ行こう。宿なんて決めずに」

 

9月はまだ暑い。東北へ行くことに決めた。

季節的にも今がちょうどいいはず。

そんな短絡的な考えと好奇心にのせられて。

 

もっともっと自由になりたかった。

 

体も心も旅をする

 

出発の日の朝はいつもより寝起きがいい。

一日の始まりが毎日こうであったら、きっと誰よりも幸せなんだろう。

だから少なくとも今日は幸せだ。

 

最初に向かうのは山形県の米沢。

無人島で縁のあった方の家に泊まりに行くのだ。

 

人生は一期一会。そんなありきたりな表現しか思い浮かばない。

でもきっと人生なんて、本当はそのくらいシンプルなんだろう。

複雑にしているのは人間。言葉や思考か。

 

朝の下り列車に乗り込んだ。

今回の荷物はリュックサック1つだけ。

 

荷物は少ないに越したことはない。それもこの夏に学んだことだ。

持ってきた本も今回は3冊だけ。上杉鷹山深夜特急

 

米沢に着くまでに上杉鷹山を読み切ってしまいたい。

聖地に思いを馳せながら読む。

 

でも気づけば物語に引き込まれ、心はすでに聖地に居る気分だった。

 

米沢駅到着

上杉鷹山は読み終えられなかった。

深い森が覆う山の中や長いトンネルを抜けて、米沢駅に着いた。

きれいな駅だ。

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そしてきれいな空。

看板を頼りに上杉神社に歩く。

 

上杉謙信上杉鷹山に会いに行くのだ。

まさに聖地巡礼と言えるかもしれない。

 

この地を歩んだ先人たちは何を考えていたのだろうか。

どんな思いを抱えていたのだろう。

 

上杉神社に行くまでにたくさんの小さな神社がある。

この地は特別な場所だったのだろう。

 

一つ一つ、そのどれだって人の思いが形になったものなのだから。

 

上杉神社

最初は一人でぶらりと歩く。

 

小説で読んだ鷹山公の姿を感じながら。

 

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なせば成る なさねば成らぬ 何事も

成らぬは人の なさぬなりけり

 

この言葉は、灰のような街に希望という火を灯した上杉鷹山が言うからこそ重みがある。

 

誰よりも誠実に民を思い、思いやりに溢れた政治を行った上杉鷹山

 

「愛と義の町」である米沢をつくったのだ。

 

上杉家の思い

一通り見終えた後に、宿泊させてくれる方と合流した。

 

そこで聞いたのは小説にも載っていない貴重な話。特別な場所。特別な思い。

 

この上杉神社は昔、米沢城が建っていた。

 

そして今は小高い丘の上にある弔魂碑の場所。ここは城があった時代、上杉家の当主となる人が代々誓いを立てていた。

上杉謙信を祀った場所だったのだ。

 

ここで特別な甲冑を身につけ、上杉謙信と語らったのだろう。それは志を強く持つことに繋がったのだ。

 

上杉鷹山は一人ではなかった。

先祖の思いを背負い、それに恥じないような生き方をした。

 

あれだけの改革を成し遂げる力は、鷹山だけのものではなく、誇りや伝統であり、上杉謙信の力でもあったのである。

 

でも最も強く思いを感じたのはなんと言っても、上杉家の廟所だろう。


門をくぐって入った瞬間の空気は、間違いなく外と違った。それは木々の力かもしれない。

 

それでもハッキリと違うものだった。

 

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ここには歴代藩主が眠っている。

 

それは大切に守ってきた伝統であり誇りだ。

 

人は自分だけの力で生きられない。

今を共に生きる周りの人たちはもちろんだ。

 

でも過去の人たちがいなければ、今の自分は居ない。全ての出会いが、思いが繋がり、誇りとなって今まで受け継がれてきた。

 

そこに力は必ず宿る。

エゴではない人の心の強さ。

 

そんな思いを受け取って、また次の旅へ向かえることは本当に幸せだ。

 

 

小説 上杉鷹山 全一冊 (集英社文庫)

小説 上杉鷹山 全一冊 (集英社文庫)